猫アレルギーを甘く見ない

(以前の記事から内容を充実させました)
花粉症の季節がやってきました。筆者も20代前半で発症し、年々ひどくなっている気がします。市販薬では効かなかったり異様に喉が渇いたりで、2〜3ヶ月間は処方薬・マスクを手放せません。
猫を飼う前から猫がアレルゲンになることは知っていましたが、筆者は杉花粉、妻はヒノキ等いくつかがアレルゲンとなっているだけで、重篤なアレルギー体質ではありませんでした。(ただし妻は幼少期にぜんそくを患っています。)
猫と生活を始めるにあたりペットショップから、猫アレルギーになる可能性はありブラッシングや小まめな掃除を心がけるよう言われましたが、「室内飼いで猫もきれいだし、ブラッシングや掃除をそれなりにやれば問題ないだろう。花粉に比べればたいしたことはないはず。」と考えていました。
しかし、ともに生活し勉強していくなかで、それは甘かったことを認識しました。
我が家の状況は以下のとおり。

1)アメリカン・カールのみの時期(生後2ヶ月〜4ヶ月期)

  • 毛はセミロングでダブルコード(綿毛と太い毛の混毛)。
  • ブラッシングは毎日〜2日に1回。ただしあまり毛は抜けない。
  • 居間に放し飼い。夜は一緒に寝ている。
  • 運動量は中程度。
アレルギー症状)

掃除を1週間怠っていると、朝晩に鼻炎や軽い咳が出る。掃除を3〜4回/週するようになりほとんど改善された。

2)2頭目(雑種:生後3ヶ月)が加わった後

  • 生後2ヶ月ほどまで恐らく野良猫。
  • 毛は短毛のシングルコート(細めで2cmくらい)。
  • ブラッシングは2〜3回/週。毛はたくさん抜ける。
  • 居間に放し飼い。夜は一緒に寝ている。
  • 運動量はとても多い。
  • 多頭飼いになってからふたりで走り回りプロレスざんまい。
アレルギー症状)

一日おきで掃除をしても、就寝時に鼻炎や咳が出る。マスクをすれば苦にならない程度になった。

ちなみに

  • 我が家では加湿器で湿度は保っている。
  • 換気扇をずっと付けておくと楽になる場合がある。

以上の状況で、特に運動量の多い猫を加えて多頭飼いを始めてから、アレルギーが顕著になりました。
アレルギーは、異なるアレルゲン同士が結びついて更に強力なアレルギーを引き起こすことがあるそうですが、私は今まで花粉症で就寝中に咳き込むことは無く、花粉とネコアレルゲンの相乗作用でアレルギーが進行してしまったようです。
余談ですが、花粉症などのアレルギー症状はなぜ就寝前後によく起きるかというと「鼻水や咳といったアレルギー症状は副交感神経が作用して起きるもので、寝ると副交感神経が優位になるから」だそうです。交感神経←→副交感神経 は、シーソーのように互いのバランスを補いあいながら(自律しながら)働くことはご存知かと思いますが、アレルギー症状は副交感神経のしわざだったとは意外でした。
ぼーっと座っていると花粉アレルギーが出てきたりしますが、ちょっと身体を動かすと一時的に良くなりますよね?そうすることで交感神経が高まりバランスが一時的に取れるのかもしれませんね。

アレルギー検査

花粉症のため係りつけの病院で受診した際、今年はアレルギー検査をして本当に猫アレルギーか確かめることにしました。
アレルギー検査は、血液からIg-E抗体を判定するRAST(radioallergo sorbent test)検査が一般的なようです。有名な検査会社のBMLによると、現在、RAST検査で測定できるアレルゲンは約200種類もあるとのこと。
私が行った病院では採血をして3〜4日程度で結果が出ました。
健康保険が効きませんので費用は5,000円〜程度。
テストされるアレルギー項目は検査費用と比例していますので、先生と相談してみましょう。
私の場合は以下の項目の結果が出ていました。(たぶん超代表的なもの)
非特異的Ig-E/すぎ/ネコ皮屑/はるがや/ぶたくさ/ヒノキ/ヤケヒョウヒダニ/ハウスダスト/ペニシリウム(青カビ)/アスペルギルス(真菌の一種)
結果は・・・

  • スギ花粉=陽性 クラス2
  • ネコ皮屑=陽性 クラス2 (皮屑:ひくず…アカやフケを指す)

・・・う〜ん、ダブル猫パンチ!
こりゃマイッタ...

アレルギーとたたかう!

BML社HPに、アレルギーの進行についてや、治療について具体的にわかりやすく紹介されています。
アレルギー検査Q&A【PCサイト】
簡単にまとめると・・・

アレルギー症状とアレルギーマーチ

アレルギー症状が加齢とともに形を変えて次々と現れることがある。このような場合、症状が進行していくことから、アレルギーマーチと呼ばれている。
たとえば、乳児期に湿疹や下痢、嘔吐を繰り返したお子さんが、幼児期になるとぜんそくになり、思春期になると鼻水やクシャミに悩まされるようになるといったことが、しばしば認められる。
のど、鼻、胃腸の粘膜や皮膚に、いつもアレルギーが起こっているとアレルゲンの刺激を受けやすくますますアレルゲンが侵入しやすくなり、アレルギーマーチが進行する。

アレルギー体質は遺伝する
  • 両親ともアレルギーがない場合、子供の発症率は12%
  • 両親ともアレルギーで同じ出方をする場合、子供の発症率は72.2%
アレルギーの治療

アレルギー症状の発現を繰り返すと、重症化、難治化につながる。
検査により原因アレルゲンを特定し、医師の指導のもとに原因療法(アレルゲンとの接触を回避)と対症療法(薬により症状を抑える)を併用することがアレルギー疾患を早く治すことができ、さらに、アレルギーマーチの進行を防止し、成人した後まで再発に苦しむことを予防するのに役立つ。

・・・こうしてみると、幼少期の早期治療の重要性がよくわかりました。筆者もアレルギーマーチに思い当たることがありますが、当時は皮膚科や耳鼻科に行っても、まず検査で原因を特定するなんて時代ではなく、対症療法しかしてもらえませんでした・・・。
ちなみに、犬や猫ちゃんでも、最近は血液によるアレルギー検査ができるそうです!原因不明の皮膚病など、今までアレルギー検査について獣医さんから聞いたことが無ければ、検査について相談されてみるのもいいかと思います。
私は、この結果を受けて早速、空気清浄機を購入しました・・・。

ネコアレルゲン対策

ネコアレルゲン=猫のフケなわけですが、ダイキンのHPに科学的な調査結果がまとめられています。
空気あれこれ-ネコアレルゲン
簡単に整理すると猫を飼っている家では・・・

  • ネコアレルゲンは、ダニアレルゲンの40倍も室内の空気中に飛んでいる。(ネコのフケはダニのフンに比べて非常に細かく軽いため、長時間空気中に漂う)
  • ネコアレルゲンは、布や壁紙によく貼り付く
  • カーペット、カーテン、布製の椅子、換気扇付近などの空気が流れる壁に特にたくさん付着する→これらはこまめに掃除洗濯を
  • じゅうたん(カーペット)の部屋は、フローリングの部屋より2倍も室内中のアレルゲン量が多い
  • 窓を開けて換気してもネコアレルゲンはあまり減らない
  • 空気清浄機を使うと空気中のネコアレルゲンは半減できる(花粉ほど絶大な効果ではない)
  • カーテンを洗濯すると、フローリングのみ掃除した場合と比較して、室内中のアレルゲン量を1/7程度に減らすことができる

・・・これらを考慮することで効率よく対策ができそうですね。

猫と暮らす前に

欧米では、杉花粉の代わりにハウスダスト・猫が主なアレルゲンとして知られているそうです。(実際、YouTubeに猫の動画掲載していたら、アレルギーの深刻さについて訴えている海外の方からコンタクトがありました。)猫のフケは家の中だけでなく室外にも放出され浮遊するため、近隣のアレルギー患者にも迷惑をかける可能性があるわけです。
最近は、新築マンションの7割がペット可となっているなど、ペットと暮らしやすい環境が整いつつあります。その反面、ペットによるアレルギーは、愛情を注いで育てるだけでは解決できない問題なのです。
掃除洗濯・食事に気を使うといったような、子供を授かったのと同様の労力が家庭に必要となります。(やがては介護も)
ですから、これから猫を飼おうという方は、周辺のご家庭や家族内にアレルギーの方はいないか、またそうした症状は起こりえるが掃除洗濯・療養が労働的にも金銭的にも可能かどうか、具体的に考えてみましょう。
トップページにも掲載していますが、環境省のパンフレットによくまとめられています。

環境省HP「動物の愛護と適切な管理」

飼い主の方やこれからペットを飼う方へ

2008/5/2追記

空気清浄機を使いはじめて1ヶ月が経ちましたが、1〜2日おきの室内掃除・寝具の洗濯をこまめにしていれば、たまに寝る際にマスクをする程度で済み処方薬は必要なくなった次第です。


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